インプラントQA
2017年06月7日
Q 1インプラントとは何でしょうか?
インプラントとは、体内に埋め込む医療機器や材料の総称です。心臓のペースメーカー、人工関節、美容成形の目的で体内に埋め込むシリコン材料等は、いずれもインプラントです。歯が無くなった場合に、顎骨に埋め込む人工歯根もインプラントの一つであり、正確には歯科インプラント(デンタルインプラント)と呼称されます。しかし一般的には、歯科インプラントの意味で「インプラント」という言葉が用いられることが多いので、以下インプラントという言葉を使用します。

Q 2インプラント治療の歴史について教えてください。
ヨーロッパでは上顎に鉄製のインプラントが埋まっている紀元3世紀頃のローマ時代の人骨が発見されています。また、中南米では下顎に貝で作られたインプラントが埋まっている紀元7世紀頃の人骨が発見されています。このように、インプラントの歴史はとても古いのですが、確実な治療法になったのは比較的最近です。1952年に金属のチタンを骨の中に埋めると骨と結合する現象が発見され、1965年にスクリュー形状(ネジのような形状)のチタン製のインプラントの臨床応用が開始されました。骨と結合するインプラントの登場によって、インプラントの臨床成績は著しく向上しました。このように骨と結合するインプラントの臨床結果が優れていることが世界的に知られるようになったのは、1980年代になってからです。その後、インプラントには様々な改良が加えられ、臨床成績がさらに向上しています。

Q 3インプラント治療とはどのような治療でしょうか?
齲蝕(虫歯)や歯周病(歯槽膿漏)によって、また外傷によって歯を失うことがあります。またヒトによっては先天的に歯が無い場合があります。そのような歯が無い部位の顎の骨にインプラントを埋め、そのインプラントに義歯を付ける治療方法がインプラント治療です。インプラント治療は1本の歯がなくなった場合から全部の歯がなくなった場合まで、適用できる治療方法です。

Q 4インプラントの材料は何でしょうか?
咬合力に耐えられる強度があり、生体親和性が高く、骨との結合することから、現在インプラント材料としては、主にチタンあるいはチタン合金が使用されています。インプラントと骨との結合を促進する目的で、インプラント表面を様々に改変したインプラントが多く用いられています。

Q 5インプラントの構造を教えてください
骨の中に埋める部分をインプラント体、インプラント体と義歯の間の部品をアバットメントと呼びます。一般的にアバットメントはスクリューでインプラント体に固定されています。
アバットメントの上に義歯が付きますが、義歯がインプラント体に直接付く場合もあります。義歯が外れないように、セメントを用いて義歯を付ける場合と、スクリューで義歯をアバットメントあるいは義歯をインプラント体に付ける場合があります。
このように、セメントあるいはスクリューで義歯を付けた場合、患者さん自身で義歯を外すことは不可能です。 一方、インプラント体の上に特殊な装置(アタッチメント)を付けて、義歯の内面にもそれと接続可能な装置を付けることで義歯(入れ歯)を安定させると同時に、 患者さん自身が義歯を取り外すことが可能な治療法があります。このようなインプラントを用いて取り外し可能な義歯を安定させる治療法を、インプラントオーバーデンチャー(implant-supported overdenture)による治療法と呼びます。

Q 7インプラント治療の利点は何でしょうか?
インプラント治療の利点は、義歯をしっかりと固定できることです。インプラント治療においては、残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させるための装置を付けたりすることはしません。残っている歯に負担をかけずに治療をおこなうことができることも、インプラント治療の利点です。

Q 8インプラント治療の欠点は何でしょうか?
インプラント治療の欠点として、インプラントを埋入するための手術を受ける必要があるため、全身状態が良くない場合には適用が難しいこと、治療期間が長いこと、治療費が高額であることが挙げられます。 現在のインプラントは骨に結合するのですが、粘膜との結合が強くないため、天然の歯に比較すると感染に弱いことも欠点です。さらに、インプラント埋入予定部位に骨が十分に存在しない場合、治療が困難であることも欠点です。 またインプラント治療において問題が起きた場合には、その問題の解決が難しいことも欠点です。

Q 9インプラント治療法には様々な方法があると聞いていますが、その方法の違いを教えてください。
インプラント治療には1回法と2回法の二つの方法があります。「1回法」においては、インプラントを顎の骨に埋めた直後に、インプラントの一部、あるいはインプラントの上部に付けた部品が粘膜の上に露出します
一定期間(下の顎では2-3カ月程度、上の顎では4-6カ月程度)を経た後に、型を採って義歯の作成をおこないます。「2回法」においては、インプラントを顎の骨に埋めた後に、その上を粘膜で完全に覆います。 そして、一定期間(下の顎では2-3ヶ月程度、上の顎では4-6ヶ月程度)を経た後に、インプラント上部の粘膜を再度切開して(2回目の手術)、その上に部品を付け、1回法と同様に義歯の作成をおこないます
Q 10インプラント治療は誰でも受けることができるのでしょうか?
他の歯科治療と異なり手術を伴う治療であると同時に、治療終了後も十分なケアが必要です。 高血圧症や心臓疾患等の循環器系疾患、喘息等の呼吸器系疾患、糖尿病や骨粗鬆症等の疾患、腎臓や肝臓の機能障害がある場合には注意が必要です。 また、現在服用されている薬によっては、インプラント治療が適さないこともあります。 インプラント治療を担当する歯科医師から、全身状態や服薬状態について聞かれた場合には、正確に答えてください。
インプラント埋入予定部位に充分な骨が存在しない場合には、インプラント治療をおこなうことが困難です。 インプラント埋入手術の前、あるいは埋入手術と同時に骨を造るための手術をおこなうことで、インプラント治療をおこなうことは可能ですが、患者さんの負担が増加します。
さらに、歯周病に罹患している患者さんや喫煙される患者さんにおいては、治療後のインプラントの残存率(寿命)が低いことが知られています。歯周病に罹患している場合は歯周病の治療を優先しておこない、喫煙されている場合は減煙あるいは禁煙してから、インプラント治療を受けることをお勧めします。

Q 11現在歯周病に罹っていますが、インプラント治療を受けることができますか?
歯周病に罹患している患者さんにおいては、治療後のインプラントの残存率(寿命)が低いことが報告されています。 歯周病に罹患している場合は、歯周病の治療をおこなってから、インプラント治療をおこなうことをお勧めします。

Q 12インプラント治療の費用について教えてください。
通常のインプラント治療には健康保険が適用できませんので、全額患者さん負担の自費診療となりますので、治療費は高額になります。 しかし、最近外傷や腫瘍等の病気で顎骨を失った場合や、その部位に骨移植をおこなって再建した場合、先天的に歯や顎骨を欠損している場合に限って、インプラント治療に健康保険が適用されることになりました。 治療前の検査、インプラントを埋め込む手術、義歯による治療を含めて、治療が全て終了するまでに必要な治療費を、しっかりと確認してから治療を受けるようにしてください。

Q 13インプラント治療の治療期間について教えてください。
インプラント治療においては、治療を開始から治療終了までの期間は、個々の症例によって異なります。顎の骨にインプラントを埋めてから、インプラントに骨が結合するためには、一定の期間が必要であり、この期間はインプラントを埋めた部位の骨の状態に大きく影響されます。 また、インプラント治療部位の骨の造成が必要な場合には、さらに治療期間が延びることになります。 インプラント治療を受ける前には、治療期間についても、しっかりと確認してから治療を受けるようにしてください。

Q 14インプラント治療の手順について教えてください。
インプラントの治療は、順番に「インプラント埋め手術」、「義歯の作製と装着」、「メインテナンス」と続きます。
インプラント治療においては、インプラントを顎の骨に埋入する手術(インプラント埋入手術)を受けなくてはなりません。 インプラント治療の方法として2回法が選択された場合、インプラント埋入手術と、インプラントの上部の粘膜を切開する手術の2回の手術が必要です。 骨の造成が必要な場合は、インプラント埋入手術の前に別個におこなう方法と、インプラント埋入手術と同時おこなう方法があります。
インプラント埋入した後、一定期間を経て、型を採ってインプラントの上に付ける義歯の作成をおこない、義歯を装着します。
インプラント治療が終了した後、定期的に治療を受けた歯科医院に通院し、インプラント治療を受けた部位を含めて問題が無いかを診てもらうことを「メインテナンス」と呼びます。 治療を受けた部位に何も不具合が無い場合も、定期的に通院して診てもらうこと(メインテナンス)は、治療した状態を長期良好に維持するために大変重要です。

Q 15インプラント治療の前にCTを撮る必要があるのでしょうか?
CTを撮影することで、上顎、下顎の骨の3次元的構造、骨の内部にある神経や血管の走行、さらにインプラント埋入予定部位の周囲の組織の状況が明らかになります。全ての症例にCT撮影が必須であるとは言えません。 しかし、CTを撮影することで、顎の3次元的な解析が可能ですので、より安全で確実なインプラント治療に繋がることは確かです。

Q 16インプラント治療は痛くないのでしょうか?
インプラント埋入手術の際には、歯を抜いたり歯を削ったりする時に使用する局所麻酔を使用します。 また手術時間が長い場合でも、麻酔医がいるところでは静脈内鎮静法を用いることで、楽に手術を受けることができます。 したがって、手術中に痛みを感じることはありません。しかし、麻酔効果は一定時間しか持続しませんので、手術後には鎮痛薬(痛み止め)を服用していただきます。術後の痛みは、症例によって異なりますし、痛みの感じ方の個人差もありますが、通常の場合、鎮痛薬を数回服用する程度で、痛みは次第に治まる筈です。 術後に長期間痛みが継続する場合は、担当医に問い合わせてください。

Q 17インプラント治療後の腫れはありますか?
インプラント埋入手術後、インプラント部が腫れます。腫れる程度は手術の状況によりことなりますが、次第に腫れは引きますので心配はいりません。 また手術部位に関連して内出血が起きて顔の一部が紫色になることがあります。このようになった場合にも心配はいりませんが、治療を受けた先生にご相談ください。

Q 18インプラント治療後の注意を教えてください。
インプラントは骨としっかりと結合しますが、天然歯と比較すると粘膜との結合が弱いため、感染し易い欠点があります。したがって、歯ブラシやその他の器具を用いた患者さん自身による毎日の口腔清掃が極めて重要です。 さらに、治療後の良好な状態を長期維持するためには、定期的な経過観察(メインテナンス)が欠かせません。 患者さん自身による口腔清掃が十分でない場合あるいはまた定期的なメインテナンスがおこなわれない場合、問題が起きる可能性が高くなります。

Q 19インプラント治療後に定期的に来院するよう指示されました。その理由について教えてください。
治療後の良好な状態を長期維持するためには、治療を担当した歯科医による定期的な経過観察(メインテナンス)が極めて重要です。 インプラント治療後に起きる問題を未然に防止するため、あるいは問題が起きても早期に解決するためには、メインテナンスが重要であることをご理解ください。

Q 20インプラント治療終了後に起きる可能性のある問題について教えてください。
義歯の破折(義歯の一部が欠けること)、義歯の脱落が起きることがあります。義歯を固定しているスクリュー、または、アバットメント(インプラントと義歯の間の部品)を固定しているスクリューの緩みが起きることがあります。 またインプラント周囲の感染(インプラント周囲粘膜炎あるいはインプラント周囲炎)が起きることがあります。インプラント周囲粘膜炎はインプラント周囲の粘膜に限局した病変ですが、インプラント周囲炎はインプラント周囲の骨の吸収をともなう病変です。 インプラント周囲炎はインプラントの喪失に繋がりますので注意が必要です。
これらの問題を予防するためには、患者さん自身がおこなう日常の口腔清掃が重要です。 さらに、患者さん自身が治療部位を含めて日頃から口腔内の状況に関心を持ち、もし何か変わったことがある場合には、治療を受けた歯科医(歯科医院)に直ちに連絡して診てもらうことが重要です。 治療後の経過が順調な場合も、治療を担当した歯科医(歯科医院)の定期的な経過観察(メインテナンス)を受けることを忘れないでください。

Q 21インプラント治療を受けた場合、MRIやCTによる画像診断への影響はありますか?
チタンあるいはチタン合金のインプラントを用いてインプラント治療を受けた場合、そのインプラントがMRIによる画像診断に影響を及ぼすことはありません。しかし、インプラントの上部に磁石が付いた構造物が装着されている場合には、MRIの画像が乱れることがあるので注意が必要です。また、チタンのインプラントが埋まっていることによって、CTによる画像診断が影響されることもあります。k
根管治療QA
2017年06月4日
Q.根管治療(歯内療法)ってなんですか?
A. 歯の根の中の神経や血管など(あわせて歯髄と呼ばれます)が通っている管を根管と言います。 歯髄は根の先端から歯の中に入り、歯の成長発育に重要な役割を果たします。 しかし、成人になり歯が成長したあとは、歯髄がなくても根のまわりからの栄養供給によって歯は生存できます。
歯の根の治療である根管治療(歯内療法とも呼ばれます)は歯髄が炎症や感染を起こした時に必要になります。 原因は深い虫歯、歯の亀裂、外傷などです。炎症や感染をそのまま放置しておくと、 歯が痛んだり、根の周囲の組織に炎症が広がったり、歯肉が腫れたりします。 場合によってはリンパ節が腫れたり発熱したりと全身的にも影響が出ることもあります。 根管治療によって、これらの症状が軽減したり、治癒したり、予防できたりするのです。
根管治療では、痛んだ歯髄を除去して、根管を注意深く清掃し、 再度の感染を防ぐために根の中に詰め物をします。このように歯髄を除去する治療法を抜髄と呼びます。 一方、以前に根管治療が終了している根が再び感染してしまった場合にも、根管治療が行われます。 この場合の治療法は、感染根管治療と呼ばれます。
Q.神経をとる必要があると言われたのですが?
A. 根の中の神経にはある程度の抵抗力はあります。しかし、神経が狭い空間に入っていることや 神経が根の中に入って来る部位が狭く血管が豊富でないなどの理由で、 一度神経に炎症が生じるとそのまま死んでいくことが多いです。 激しい痛みがあったり、神経の部屋が見えてしまうくらい大きな虫歯があったりする場合は神経をとる必要があります。
痛んでいた歯の神経が死んでいくと、一時的に痛みは和らぐこともあり、 患者様が感じる症状と歯の状態が一致しないこともあります。主治医の先生とよく相談して下さい。
Q.神経をとるのに大きな穴が開くのですが、あんなに削ってだいじょうぶですか?
A. 歯は構造上内部が軟らかいので、虫歯は外から見えている以上に中で広がっていることが多いです。 そこで悪いところはすべて取り、さらに残った部分がかみ合わせの力で割れないように 形を整えると大きな穴が開いたように感じますが、歯を残して治療していくために必要な処置です。
Q.虫歯を取るために、歯肉を切る必要があると言われました。そのような処置は必要なのでしょうか?
A. 根の治療のためにはまず虫歯を取りきる必要があります。虫歯は歯の中を進行して行きます。 歯肉より下の部分の歯がむし歯になっていると、虫歯を取ることにより歯肉から出血して 確実な処置ができなくなったり、あとでかぶせや詰め物が入らなくなったりします。 そこで、麻酔をして歯の周りの歯肉を切り取った後、虫歯を取りきる処置を行う場合もあります。 歯肉の傷は時間の経過とともに治っていきます。Q.神経を殺す薬が入っていると言われましたが、顎の骨は大丈夫でしょうか?
Q. 根の先に病気ができていると言われたのですが?
A. 口の中から根管に細菌が入って増殖すると、根の先端の歯髄の入り口を通ってからだの中に細菌が広がります。 細菌などが入ってくるとからだは免疫反応で対応します。
感染が強い場合は比較的早期に腫れたり痛みが出たりします。 しかし、根の中の感染はからだに対して弱い慢性的な刺激となることが多いため、 からだは内部に細菌が入ってこないように堤防のような防御帯を作ります。 これが根の先にできる病気(根尖病変)としてエックス線で確認されます。 根の先の周りの骨が溶けるので、エックス線写真では黒く写ります。 多くの場合、病気の初期の段階では症状はありません。原因は根の中の細菌などの感染なので、 根の中を掃除する根管治療が治療の第一選択になります。
根尖病変は慢性的な経過をとることも多いので、治療に関しては主治医の先生とよく相談して下さい。
Q.根の先に病気ができているけれど確実に治るとは限らないと言われたのですが、どうしてですか?
A. 根の先にできた病気の原因は根管の中の細菌であり、根管治療ではそれを取り除く治療を行います。 しかし、歯の根管はまっすぐな管ではなく、曲がっていたり、枝分かれしていたりするため、 一度細菌に感染してしまった根管を完全に無菌化することは非常に困難です。 また、根の先が溶けてしまい根の表面に細菌が住み着いてしまう状態になることもあります。 この状態では根管からの掃除では細菌を取り除くことができません。 その他さまざまな原因で、一度症状が治まっても再発する場合もあります。 これまでの報告では根の先に病気のある歯の根管治療の成功率は、60~80%程度とされています。 したがって、確実に治るとは限らないという表現になったと思われます。 歯の状態はそれぞれの歯によって異なりますので、主治医とよく相談して下さい。
Q.治療期間中にすごく腫れたのですが、大丈夫ですか?
A. 根の先はからだの中につながっていますので、根の中の細菌などの感染源を除去する根管治療では、 一時的に細菌などがからだの中に入ります。するとからだの方では入ってきた細菌などに対して 免疫反応が生じて、からだの均衡を保とうとします。 この反応の結果、歯がしくしくしたり浮いた感じがしたり、場合によっては 根の先の歯肉が腫れたりすることがあります。 症状が軽度なものは3~4割程度の確率で生じるとされ、通常は1週間程度で自然に治まります。 一方、残念ながら根の先の歯肉が腫れたり、ズキズキした痛みを伴う症状 (フレアーアップと呼ばれています)が生じることも数%の確率であります。 この場合は洗浄や抗生物質や鎮痛剤の服用などの処置が必要になります。 いずれの症状が出ても、根管治療の成功率には影響がないとされています。 主治医とよく相談して治療を最後まで続けて下さい。
Q.根の治療のあとに削ってかぶせると言われたのですが?
A. 根の治療(根管治療)を行うと、歯は筒状になり、かみ合わせの力などの外力により割れやすくなります。 そこで、かみ合わせの力を分散させるために歯を削って歯をおおうようにかぶせる治療が 一般的に選択されます。歯に接着する材料の進歩により、 前歯などではかぶせるのではなく穴を詰める治療が行える場合もあります。 ただし、神経を取った歯は詰め物が欠けても痛みが出にくいので虫歯が進行しても気づかず、 大きな割れにつながってしまうこともあり、注意が必要です。 いずれにしても、根管治療が終了した歯を長持ちさせるためには定期的な検診が重要です。
Q.根の治療が終わっても咬むときに痛むのですが?
A. 根の治療で歯の内部の神経は取り除きますが、歯のまわりにも神経があります。 根の治療後程度の差はありますが、このまわりの神経に一時的に痛みが出たり過敏になったり することがあります。もともと痛みが続いていた歯の場合は、 しばらく痛みが続く場合もあります。主治医の先生に経過を診てもらって下さい。
Q.根の中に土台が入っていて治療が出来ないと言われました。歯肉を切って
根の先の手術をすると言われましたが、どのようにするのでしょうか?
A. 歯の中にしっかりとした土台が入っている場合、 再治療のために土台を除去しようとすると根にヒビが入ったり、折れたりすることがあります。 歯を長持ちさせるためのメリットがあると考えられる場合に、 通常の歯の頭の方からではなく、逆に根の先(根尖)の方から治療する手術法があります。 歯根尖切除法と呼ばれています。歯肉を切開して根の先から感染した部分を取り除きます。
Q.根の先が溶けていて、根の中からの治療では治らないので、歯肉を切って
根の先の手術をすると言われましたが、どのようにするのでしょうか?
A. 根の先が病気により溶けることがあります。その場合、 根の中を歯の頭の方から治療する根管治療では、 溶けた根の先の周辺の感染した部分を取り切れないことがあります。 歯を長持ちさせるためのメリットがあると考えられる場合に、 通常の歯の頭の方からではなく、逆に根の先(根尖)の方から治療する手術法(歯根尖切除法)が あります。歯肉を切開して根の先から感染した部分を取り除きます。
Q.根の中に金属が入っていると言われたのですが?
A. 根の中の根管は曲がっていたり、枝分かれしていたりするため、 治療用の器具が途中で折れて根管の中に残ることがあります。 研究報告では、数%の確率で生じるとされています。 根管治療に使用する器具は通常、ステンレス製かニッケルチタン製であり、 根管の中に残っても溶けたり腐蝕したりすることはなくほとんど変化しないと考えられます。 したがって、根の中に金属が入っていること自体がからだに影響をおよぼすことはほとんどありません。
一方、根管治療が成功するかしないかは、細菌などの感染物質が根管にどの程度存在し、 それがからだにどれくらい影響するかにより決まります。 これまでの報告では根管の中の金属の存在の有無は治療成績に影響しないとされています。
治療においては、金属を除去できる場合は除去を試みます。 しかし、除去することによって根を傷めてしまう恐れがある場合はあえて除去せずに 根管治療を完了する場合もあります。主治医とよく相談して下さい。
セラミック治療QA 2
2017年03月8日
Q:神経を抜いてしまったのですが、どうすれば白くなりますか?
A
歯を白くしたい場合、まずは歯のホワイトニングが挙げられますが、ホワイトニングは神経のある状態のご自身の天然の歯に有効な治療方法です。神経のない歯にホワイトニングをすることはできますが、効果は出にくく、変化がない場合もあります。微量に白く変わったとしてもすぐに元のお色に戻ってしまうことが多く見られます。また、神経のない歯は年月とともにだんだんと黒く変色してしまい、審美的に問題が出てきます。変色が進んできますと、ホワイトニングをしても効果はありません。また、神経を取った歯をそのままにしておくと歯が脆くなって欠けたり折れたりしてしまうことがあります。歯の根っこから割れてしまった場合は抜歯をしなくてはならないこともあります。審美的な要因だけでなく、そういった状況を防ぐためにもホワイトニングではなくセラミックでの治療をおすすめします。
歯を削った中にグラスファイバーの白い土台を立てて補強し、その上にセラミッククラウンをかぶせます。ホワイトホワイトで使用するクラウンは、オールセラミックタイプですので、変色・変形などの経年劣化を起こさず、金属は一切使用していないので歯ぐきの黒ずみも引き起こしません。また、自然なつや感と透明感を持っている素材なので、元々のご自分の歯と見分けがつかない程美しく仕上がります。他のまわりの歯をホワイトニングで白くした後に、その白さに合わせて神経のない歯にオールセラミッククラウンをかぶせて頂くときれいに仕上がります。その場合、治療は同時進行で行っていくことが可能です。
当クリニックでは仕上がりの見た目のきれいさの追求はもちろん、お食事をきちんと取れるよう噛み合わせの調整をしっかり行い、機能的な面も重要視しております。
神経のない状態の歯は通常よりも脆くなっているので、早めに治療をお勧めしております。
Q:歯並びを治したいのですが、矯正は時間がかかるので、したくありません。他にどんな方法がありますか?
A
「歯並びをきれいにしたいけど矯正装置はつけたくない」そんなご要望をお持ちで、ホワイトホワイトにご相談される方がとても多くいらっしゃいます。
矯正装置による歯並び治療は完了までの期間が約1年半~2年と長く、問題点も多くあります。ホワイトホワイトでは、矯正装置を付けずに歯並びを治すセラミック治療をご提供しています。
矯正治療の問題点とは、「見た目が気になる」「痛みや違和感がでやすい」「虫歯になりやすい」などがあります。
ホワイトホワイトは歯の並びだけを整えるのではなく、お顔のバランスに合わせて歯並びを調整します。
顔の中心線(正中線)に歯軸(しじく:歯の中心線)を合わせたり、目と唇のラインと歯の先端のラインを合わせます。お口を開けたときに、もっとも美しく見えるようなバランスで、歯並びを仕上げます。
矯正装置をつけずに行うセラミック治療の最大のメリットは、歯並びを整える際に同時に歯の色や形もキレイにすることが出来る点です。
歯並びが乱れてしまっている状態は、歯の大きさが顎の大きさに合っていない場合も多くあります。歯のサイズを整えることで、見た目にもより美しく歯並びを整えることが出来ます。
また、歯が重なっていることで歯磨きが難しく、歯が黄ばんでしまっているケースも多くあります。歯の色を透明感のある白さに仕上げることで、よりお口元を美しく見せることが出来ます。
矯正装置を付けての治療では、期間が長くかかってしまうというデメリットがあります。歯並びをまとめてキレイにしたいとご希望の方には、優先的に診療のご予約をお取りできるようにしています。
「1回の時間を長くしたい」「3回先の予約までおさえたい」などのご希望にもお応えします。早く歯並びをキレイに治したいとご希望の方に、ぴったりの診療プランをご提供します。
セラミック治療では、高度な技術と高品質な素材が求められます。歯ぐきの0.5mm内側からセラミックを立ち上げる技術、細かな色味のグラデーションと先端に透明感を施したオールセラミッククラウン、より美しく仕上げるために裏側やコア(芯)、セットする接着剤にまでこだわっています。より自然な美しさに仕上がるようにセットを行います。
当院での歯科治療は、見た目のみを重要視する治療ではありません。中心咬合位・前方運動・側方運動時などの噛み合わせチェックを行い、見た目だけでなく、機能的にもしっかりとした歯並びを構築します。治療後にもセラミックを長くお使いいただくために、半年に1回のチェックを行っておりますので、ご安心ください。
Q:差し歯をしていますが、歯茎が黒ずんで悩んでいます。どうすれば治りますか?
A
以前にセットした被せものや土台にプラスチックや金属が使用されていたりすると、それらの成分が元となって、歯と歯茎の間を黒く変色させてしまうことがあります。この黒いラインをブラックマージンと呼びます。
状態や程度、治療後の期間は様々ですが、治療を行った歯の根元が黒くなってしまったと、ご相談に来院される方はとても多くいらっしゃいます。虫歯などとは違って痛みはありませんが笑ったときなどに目立ってしまうのできれいにしたいと皆さまご希望されます。
原因は様々ありますが、もっとも多いタイプは、被せものの裏側が金属で構成されているものをセットし、治療後歯茎が下がったりしてしまうことで、金属部分が露出して見えるものです。他にも、土台部分に使用された金属の成分が歯茎に流出して歯茎を変色させてしまったり、被せものをセットする際に歯茎の内側に適切にセット出来なかったりしたことも原因になります。
これらの状態は、被せものと土台にまったく金属やプラスチックを含まないものを再セットすることで、元の健康的な歯茎に戻すことが出来ます。またホワイトホワイトでは、専門医が被せものを歯茎の内側0.5mmにセットしますので、自然で美しい状態に仕上げることが出来ます。
流れとしてはまず現在のお口の状態を確認し、黒ずみの原因となっているものを探します。基本的には神経もしくは土台、被せものの再治療を行います。
治療に用いる素材は、被せものは金属やプラスチックを含まないオールセラミックのものです。土台にも金属を含まない、グラスファイバー製の白いポストコアを使用します。
治療を行う過程で歯茎の色は回復し、終了する頃には、歯の根元や歯茎の変色は改善されています。元の自然で健康的なお色に戻り、セットした歯は白く明るい、自然な透明度を持った仕上がりになります。
セラミック治療を行う際に、歯茎の内側0.5mmから立ち上げたり、セラミックの根元から切端部への細かな色味のグラデーションにこだわったりと、高度な技術と良質な素材のみをご提供しています。施術は経験豊富なドクターが直接行い、お顔や唇のラインに合わせて、もっとも美しく見える状態に仕上げています。
Q:差し歯と歯茎に隙間があるのですが、どうすれば治りますか?
A
「差し歯」は、現在の歯科治療では使われなくなった古い言葉です。正式名称は「歯冠継続歯(しかんけいぞくし)」といい、差し歯はその俗称として広く親しまれていました。根っこ(歯根部分)に差し込むようにして人工の歯をセットする治療方法だったため、差し歯という名前で広まったと言われています。現在は「差し歯治療」と呼びながらも、治療方法はクラウンによるかぶせ物の治療を行っているクリニックがほとんどです。
差し歯の治療法は、神経を取り除いたところに、人工の歯に支柱を立てたものを差し込むようにセットします。人工の歯と支柱はセットになっており、特殊な接着剤で歯根部分にセットします。
差し歯治療が無くなってしまった理由として、根っこが割れてしまったり、人工の歯が取れてしまうなどの弊害が多かったことが挙げられます。また根の治療が不十分なために治療後数年経って痛みが出たり、ご質問の様に差し歯をセットした部分のすき間に虫歯が出来てしまうケースも多く見られます。
ホワイトホワイトで行う治療法は、まず神経を取り除いた部分をきれいに消毒し、グラスファイバーなどでまず「土台」を立てます。「土台」の上に「かぶせ物」と言われるクラウンを特殊な接着剤でセットします。「土台」と「かぶせ物」の2段構造になることで、より精密な治療を行うことができ、セットした時の安定感も格段に上がりました。今では「差し歯治療」と言っても、このように土台とかぶせ物により治療を行う治療法が主流となっています。
ホワイトホワイトでは差し歯の再治療に、土台には白いグラスファイバーを立て、クラウンの素材には金属やプラスチックを含まないジルコニアを使用しています。また歯茎の0.5ミリ内側から立たせる事でご自身の歯と見分けがつかないくらい自然な仕上がりをキープすることが出来ます。この様に審美歯科は見た目はもとより機能的にも優れた治療をご提供しています。
治療後も長く美しい状態をキープされたい方は、オールセラミックのクラウンに、グラスファイバー製の土台を選択される審美歯科の治療法をお勧めします。
Q:差し歯の変色が気になります。この場合、どのような施術内容になりますか?
A
保険の差し歯の場合、経年劣化により変色を起こし、周りの歯の色と差がでてしまう事があります。当院で使用するクラウン(被せ物)は、自費診療であるオールセラミックのタイプです。変色・変形などの経年劣化を起こさず、歯茎の黒ずみも引き起こしません。また自然なツヤと透明感を持っている素材なので、審美的にご自分の歯と見分けがつかない程、自然に、美しく仕上がります。
オールセラミッククラウンとは、クラウンの素材すべてにセラミックのみを使い、金属やプラスチックを一切含まないクラウンを指します。プラスチックが引き起こす変形・変色や、金属が引き起こす歯茎の黒ずみを防ぎ、金属アレルギーの方にも安心してご使用頂けるクラウンです。
ホワイトホワイトではドクターの高い技術力により、歯茎の0.5mm内側からクラウンを立ち上げることが出来ます。歯茎のラインよりもわずかに低い位置の歯を削ることで、歯茎の内側にクラウンを入れ込むことが出来、自然に生えているように見せることが出来るのです。より自然に近い状態にするため、この0.5mmにこだわっています。
また歯の色は、一色ではなく歯の根元から先にかけて、何層もの色がグラデーションのように重なっています。
オールセラミッククラウンにより、この何層ものグラデーションを再現し、周囲に合わせた自然な色みを表現するのでご自分の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりになります。歯の構造上、先端部はエナメル質が厚いため、透明感があります。この透明感をオールセラミッククラウンで再現することで、より自然な状態に仕上げることが出来るのです。
オールセラミッククラウンは、裏側も自然な白さに合わせます。歯の裏をのぞき込んだら金属が見えるということもなく、安心してお口を開けられます。
ホワイトホワイトでは土台はグラスファイバー製のファイバーコアを使用しています。
この土台に透明感のあるセラミッククラウンを被せると自然な白さが透けて見え、ご自分の歯の様に仕上がります。金属を含んでいないため、変色や歯茎の黒ずみを引き起こす事もありません。
Q:歯周病でもセラミック治療はできますか?
A
その場合は、まず歯周病の治療をおこなってからセラミック治療に移ります。
歯周病は細菌の感染によって引きおこされる歯茎の炎症のことです。歯と歯茎の境目の清掃がきちんとできていないと汚れや細菌が溜まり、歯茎が炎症を起こし腫れて赤くなり、少しの刺激でもすぐに出血します。更に症状が進むと歯茎が後退してきて歯が長く見える様になってきます。最終的には歯を支える土台となる歯が溶けて歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
そうさせない為にも毎日のブラッシングがとても重要になってきます。特に歯と歯茎の境目は念入りに行ってください。普通の歯ブラシでは届きにくいので毛先の細い専用のブラシで丁寧にケアしてください。
ある程度、歯茎の炎症が治まったらセラミック治療に進む事ができます。当院で使用するクラウン(被せ物)は、金属やプラスチックを含まないオールセラミックのタイプです。変色・変形などの経年劣化を起こさず、歯茎の黒ずみも引き起こしません。また自然なツヤと透明感を持っている素材なので、審美的にご自分の歯と見分けがつかない程、自然に、美しく仕上がります。またドクターの高い技術力により、歯茎の0.5mm内側からクラウンを立ち上げることで自然に生えているように見せることが出来るのです。当院ではより自然に近い状態にするため、この0.5mmにこだわっています。
さらに、歯の色というのは一色ではなく歯の根元から先にかけて、何層もの色がグラデーションのように重なっています。当院ではオールセラミッククラウンを選択することにより、この何層ものグラデーションを再現し、周囲に合わせた自然な色みを表現するためご自分の歯と見分けがつかない程、自然な仕上がりを心掛けています。内側の土台にはグラスファイバー製のファイバーポストコアを使用しているのでこの土台に透明感のあるオールセラミッククラウンを被せると、自然な白さが透けて見え、ご自分の歯のように仕上がります。
この様に、オールセラミックタイプのクラウンは金属を含んでいないので、変色や歯茎の黒ずみを引き起こすこともなく美しい歯を長期間にわたりキープすることができます。
Q:ブリッジをしている歯のうち、1本だけ欠けてしまいました。この場合、全てやり直さなければならないのですか?
A
小さく欠けた場合はその部分を研磨して形を修正することも可能ですが、基本的には欠けた部分のみを修復することは出来ませんので、ブリッジの再治療になります。ブリッジすべてを削ってはずし、新しいブリッジをお作りします。
ブリッジには色々な材質があります。耐久性が求められるブリッジ治療の場合、ホワイトホワイトでは酸化ジルコニウムから作られているジルコニア製のブリッジを使用しております。ジルコニアは審美性に優れ、金属よりも硬く、耐久性に優れているという特徴があります。ジルコニアは天然歯のような美しさと、金属の3倍もの硬さを兼ね備えた素材なのです。お口の中の状態に合わせて最高の治療と材料をご提供しております。